京都の壬生寺は700年以上の歴史があるお寺で、新選組にゆかりのあるお寺としても有名です。
壬生寺では毎年2月に節分厄除大法会が行われますが、壬生寺の節分会は他のお寺とはちょっと違った見どころがあります。
豆まきは行われず、狂言が上演されるんです。
こちらでは壬生寺の節分会の見どころである狂言の内容や上演時間、ほうらくの奉納や節分限定の御朱印についてご紹介します。
壬生寺の節分会で行われる狂言とは?
壬生寺で上演される狂言、「壬生狂言」は正式には「壬生大念佛狂言」と言い、現在は国の重要無形民俗文化財として指定されています。
壬生狂言が創始されたのは、鎌倉時代のこと。
円覚上人(えんがくしょうにん)が教えを聞こうと集まった聴衆に最もわかりやすい方法で仏の教えを説くため、身ぶり手ぶりの無言劇仕組んだ持斎融通(じさいゆうづう)念佛を考えついたのが始まりです。
その後も壬生狂言は庶民大衆の娯楽としても発展し、現在も台詞を用いない宗教劇としての性格を残しています。
いつも狂言が見られるのかというとそうではなく、狂言が上演されるのは「春の大念佛会」「秋の特別公開」「節分」の年3回述べ12日間だけです。
【節分で上演される狂言】
節分で上演されるのは、30ある演目のうちの「節分」です。
夫を失くした女性のところに変装した鬼がやってきて、打ち出の小槌から出した着物を与えます。
女性は気を許してしまい酒宴が始まりますが、鬼はお酒に酔って正体がばれてしまい、女性は鬼の嫌いな豆まきをして追い払います。
鬼がいなくなった後には小槌や着物も消えており、女性は危険な誘惑であったことを知るのでした。
人間は鬼(病気や災厄などどいった不幸)の誘惑に負けずに、マメになること(まじめにこつこつ働くこと)で福を得ることができるということを教えたものです。
狂言というと難しいのではと心配になりますが、とてもわかりやすい内容になっていますので、お子さんも楽しめますよ。
【狂言の上演時間】
2月2日、3日の午後1時~1時間毎に8回上演されます。
13:00~、14:00~、15:00~、16:00~、17:00~、18:00~、19:00~、20:00~
1回当たりの上演時間は約40分。
観覧料金は無料です。
狂言は座席が用意されており、座って見ます。時間も40分とちょっと長めなので、足元から冷えないように防寒対策をしっかりしていくと良いですよ。
壬生寺の節分会のほうらく奉納とは?
壬生寺の節分でもう一つ珍しいのは「ほうらくの奉納」です。
ほうらくとは「炮烙」と書くのですが、素焼きの皿のことです。
このほうらくに苗字、年齢、性別、願い事を墨で書いて奉納します。
ほうらくは露店でも売られていて、自分で書くこともできますし、お店の人に書いてもらう事もできます。
書き方の例も露店に掲示されているので、自分で書いてみるのも記念になりますよ。
ほうらくの値段は1枚500円くらいで、奉納料は1枚100円です。
奉納したほうらくは4月に行われる壬生狂言の「ほうらく割り」という演目の中で割られ、ほうらくを割ることで厄が落ちて願い事が叶うと言われています。
狂言の舞台からほうらくが落とし割られるのは見ごたえがありますので、ほうらくを奉納したら春の大念佛会にも行ってみるのも面白いですね。
春の大念佛会は毎年4月29日~5月5日に行われます。
壬生寺の節分には限定御朱印がある!
壬生寺では壬生狂言が行われるときのみに拝受できる、限定御朱印があります。
書き置きの御朱印で納経料は300円。
壬生狂言は年に12日間しか上演されませんから、これは貴重ですよね。
寺務所でいただけますので、こちらも記念にいただいてはいかがでしょうか。
まとめ
京都壬生寺の節分はここでしか見られない狂言が見られます。
春の大念佛会と秋の特別公開の際の狂言は有料ですので、無料で見られるのは節分の時だけです。
季節がら寒いので、しっかり防寒対策をしてご覧になってください。
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